日々群青色

フリーランスでこの先生きのこるには?を考えつつ特に関係の無いことを考えるブログ

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葬式をしてほしくない人、したい人

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「葬式はしないで欲しい」と遺書には書いているtorihitoです。

 

Twitterでお坊さん便がバズってましたね。

www.sankei.com

さて、葬儀を普通に近隣の葬儀会社等各所に手配して行った場合かなりの高額になります。

葬儀費用の地域別平均額(財団法人 日本消費者協会 第7回「葬儀についてのアンケート調査」平成15年9月より)

を見ると葬儀費用の合計の全国平均は236.6万円だそうです。他のサイトで見た感じ平均額は年々徐々に下がっているようですがそれでも高額です。

実際葬儀の手配を手伝ったことが何回かありますが、葬儀の難しいところは事前に予定を立てられないところです。その上オプションが難解でそれを大体の場合、逝去からすぐにしないといけないので遺族は精神が落ち着かないうちに次々と判断を迫られます。

 

何度か見たことがあるのですが親戚等の協力者が少ない方がこいうった手配をするのはかなり精神力が必要です。『葬式慣れ』と言ったらちょっと表現が変かもしれませんが葬式の回数をこなしていない人がある日突然、親族の不幸に遭った時なんてどういった作法が正解で何円が適正なのかわかりません。

 

ここに目をつけたのが『お坊さん便』も展開している『みんれび』と『イオングループ』と『ユニクエスト・オンライン』辺りです。

どこも費用がわかりやすいプラン方式を提示しています。

二社の比較になりますがこんな感じでかなりの低価格を実現しています。

自分の葬儀にお金をかけて欲しくない方はこういった選択肢も選べる時代なんですね。世間体等を問題視しなければですが。

 

さて、僕の命がいつ終わるのか知りませんが冒頭にも書いたように僕は自分の葬式をしないで欲しいです。しないといっても孤独死か行方不明にでもならない限り遺体を放置というわけにはいかないので直葬(通夜・告別式は行わず、直接火葬場へ運び、火葬にする方式)が現実的でしょう。

命が尽きると同時に全ての観測者から存在がなかったことになって記憶からも消えてしまえれば良いのですが現実的に不可能なので(笑)

都会では直葬が増えてる(5人に1人)みたいですね。

matome.naver.jp

時代に沿った方式だと思います。

もうちょっと先鋭的になってシドニアの騎士のようなシステムができあがると夢が膨らみますね!(わからない人はぐぐってください)

 

と、ここまでが前振りで書きたかったのは以下になります。『葬式』というワードでふと思い出しました。

少し前に知人の娘さんの葬儀を手伝った時の話で少し変わった体験をしました。

 

あの葬儀は正しかったのか?

とある日、知人(親の友人)から電話がかかってきました。曰く

「入院中の娘がもう長くない。自分の夫も先立っているし親族も病気で満足に動けない人や協力的でない人しかいないのでもし娘が亡くなったとき誰も頼れる人がいない。○○(僕の名前)と母に通夜と葬式の間、付き添ってもらえないだろうか」

との話でした。僕自身は一度、一言二言会話したことがある程度の面識でしたが事情がわかったので即了解しました。

 

で、それから少しして訃報が届きました。

一時間ほどの距離でしょうか。安置されている病院で知人と合流。病院にいたのは知人と職場の人?でした。看護師さん達に見送られ葬儀会社の車で葬儀場まで移動します。

 

このとき、僕は少し違和感を感じました。

その地区で葬儀をするといったらA葬儀場のはず(偶然なんですが過去にその地区での葬式に3回参列したことがあって、三回ともA葬儀場だった)。

でも今回はそこから15分ほど離れたB葬儀場に着きました。

「宗派か予算の関係かな」くらいに思ってそこまでは気にならなかったのですが、遺体を棺桶に安置してからの作法も今まで見たことのあるものと少し違って、でも僕の記憶にあるどの形式とも違うようです。

特に棺桶にかけてある布が違いました。

「ふむ、記憶のどれとも似てるようででもどれとも違うのできっと僕の全然知らない宗派なのだろう。勉強になるな」

と思ってまた意識を適当に流しました。

 

とりあえず僕のこの場での役目は「知人が心細いであろうから見守るように落ち着いて振舞うこと」「力仕事を率先して手伝うこと」「話を聞くこと」「必要であれば葬儀の打ち合わせの補佐に徹すること」だと認識。

 

ぽつぽつと訃報を聞いて駆けつけた人を横に大人しく座っていると葬儀場スタッフの方から通夜の案内がきて棺桶を二階の待機室兼宿泊部屋から斎場へとスタッフの方達が移動させます。

一階の斎場で通夜の読経をするので開始時間まで待機していると、親族らしき人達と仕事仲間?の家族?らしき人達が訪れはじめ、スタッフの案内で順次着席して通夜が始まりました。

 

ん?読経する人がスーツ?お坊さんじゃない?新しいな。

 

スタッフのアナウンス「○○による○○に則った式を開始いたします~以下説明~」

 

 ――このときになって僕はやっと宗派を把握しました。

 

左半分の参列者の人達が何も見ずにすらすらとお経を唱えていて新鮮でした。

 

と、スムーズに式は終わり。

知人は明日の打ち合わせということでお坊さん?と数人の男性と何か話していましたが、先に上がっててということらしいので二階に戻りました。戻りながら「なるほどなるほど」と一人納得していました。

 

待合室兼宿泊部屋でお茶を飲んでいると、程なくして知人がスタッフと部屋に戻ってきて葬式の手順やお膳の数や色々と決めていっていたのですが知人がかなり疲労して人数を考えるのもあやふやな状態のようだったので横についてメモしながら補佐していたのですが、気がつくとなんか『式の形式』についてスタッフと揉め始めたではないですか。

 

知人曰く「これは娘のための葬式だから○○葬というアナウンスをされるのはやめて欲しい。明日は○○関係の人は参列して欲しくない。親族だけでやりたい」

スタッフ曰く「どうしても『今回のご予算』で執り行うためには○○葬という体面で行っていただかないと困る。あくまで『形式だけのもの』なので納得していただきたい」

 

……んー、何なのだろう。これは誰のための葬式なのだろうか……。娘さんの要望は今となっては知りようがないが遺族の方の望まない形式でやるのは誰もハッピーじゃない(葬式なのでハッピーじゃないけど)。と思いつつ『今回のご予算』で式をするという条件があるのなら致し方ないのか……。とりあえず僕は何も口を出すべきではないな。

そんなことを考えているうちに知人の方が折れて○○葬で執り行われることになりました。

 

 その日は通夜なのでお香の火を絶やさないよう知人と僕と母で交代で仮眠を取ることになり宿泊部屋で時計の針が0時を少し過ぎた辺りで眠りました。

 

式当日、この日は前日の打ち合わせ通りスタッフが「この式はどういう意味合いで、歴史は云々~で○○式に則って執り行わせていただきます」というアナウンスがあってそこからは流れるように式が進んでいきました。

最後に喪主である知人が娘さんと参列者に感謝の言葉を述べていましたが内心は僕にはわかりません。

 

あ、ここで終わりです。ファンタスティックなオチとかありません。

火葬が終わって骨を拾って骨壷に納めながら「この骨に人の歴史が詰まっているのかな。意識はどこにいくのかな。完全な『終わり』は生きている人間には知りようがないな」なんてことをぼんやりと考えていました。生きていればまた考える機会もあるでしょう。

 

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